私は社員数100人程度のゲーム会社で2年間ほどシナリオライターをしておりました。
いったい、どんな仕事をしているのか、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

先に言ってしまいますが、ひたすらシナリオを書き続ける! ということはめったにありません!
誰もが知ってるゲーム会社に勤めていたわけではありませんが、受託開発(業界用語ではデベロッパーと言います)いう形で、誰もが知っている有名タイトルのシナリオを執筆したことがあります。
そんな私の経験を元に、シナリオライターがどんなことをしているのかをご紹介していきます。
実際にはシナリオを書くこと以外にもいろいろやっているのですが、本記事では実作業(シナリオ作成)に的を絞って、具体的に紹介したいと思います!
キャラ設定資料を作る

いわゆるキャラクターの履歴書のような物を作ります。
作る理由は、主に下記の2点です。
- キャラクターに整合性や深み、リアリティを持たせるため
- 誰でも、そのキャラクターのシナリオを書けるようにするため
基本的に会社でゲームシナリオを1人で書くということは、ぼぼありえません。1人のキャラクターのシナリオや、1つのエピソードを複数人書くようなシチュエーションがよくあります。従って、それぞれのキャラクターについて、共通認識を抱けるような資料が必要となるのです。
ケースバイケースなのですが、先方から大まかなキャラクターのイメージが伝えられたり、0からキャラクターの創作をお願いされることもあります。自分でキャラクターを生み出すステップでもあるので、なかなかにやりがいはありますね。
プロットを作る

小説やシナリオを書いたことのある方なら、プロットという言葉は聞いたことあるかと思います。
お話の要点や流れを簡単にまとめた設計図のようなものですね。
ゲームシナリオの場合は、エピソード中でどのようにオチをつけるか、そのキャラクターの何を表現するか、などの意図や狙いを明確にしつつ、簡易なお話の内容を作成するといった感じになります。
シナリオを書く

よっしゃあ! これでやっとシナリオ書けるで!

でも、ただプロット通りに文章を書くだけじゃないんよ…?
ここで「シナリオを書く」ということは何をすることか、細分化してご紹介します。
例えば下記のようなゲーム画面があったとして、シナリオライターは何を設定する必要があるでしょうか。

テキスト(セリフ)を書く
言わずもがな、テキストウィンドウに表示されるテキストを作成することになります。
しかしみなさんもゲームをやったことがあれば分かるかと思いますが、ウィンドウに表示できる文字数は限られています。
なので、実際に表示されるテキストの見栄えを気にしながら、テキストを書く必要があります。
キャラクターの表情を決める
アドベンチャーゲームであれば、話しているキャラクターのグラフィックが画面に映っているかと思います。
このグラフィックの表情を決めるのも、シナリオライターのお仕事です。実際のゲーム画面を頭の中でイメージしながら、表情を1つ1つ付けていくことになります。
効果音・エフェクトなどの演出を決める
効果音やエフェクトを決めるのも、シナリオライターのお仕事です。
効果音など細かく用意されていたりします。例えば、弱い雨音があったり、嵐のように強い雨音があったり……それぞれの場面に適した効果音を適切に決めていく必要があります。
基本的には、予め用意されているSEやエフェクトの中から決めていきますが、要望を出して新規に作成してもらうこともあります。
BGMを決める
ゲームの雰囲気を左右するBGM。これを決めるのも、シナリオライターであることが多いです。
シーンの流れや、話の切り替えなどを意識して、BGMの選定や流すタイミングを決めていくのです。
まとめ:シナリオ作成には想像力が必要不可欠!
実作業では、わざわざゲーム画面を書きながらシナリオを書くということはしません。時間と手間かかりますし、そもそもゲーム画面に映し出すには、それはそれで別の工程が発生し、シナリオライターの作業から逸脱してしまうからです。
シナリオライターにはゲーム画面を想像しながらシナリオを書く能力が求められます。
以上がシナリオライターのお仕事(実作業編)の紹介になります。
実際にはシナリオを書くこと以外のお仕事もたくさんしているのですが、それはまた別の記事で紹介させてもらいます!
もし何か知りたいことがあれば、Twitterなどでリクエスト頂けるとありがたいです! それでは!
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